シュタイン教育教材制作のe-waldorfから、シュタイナー教育の話題をお届けしています。
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2016.2.23
 

ムーバブル・クラスルーム

 

ムーバブル・クラスルームmoveable classroomは直訳すると「移動可能な教室」です。小学校低学年の教室に、よくある机と椅子を並べるのではなく、3人くらいで座れるサイズのベンチを使います。机はありませんが、床に座ってベンチを机がわりにします。もちろんベンチに座ることもあります。子ども二人で移動が簡単な重さなので、授業の内容に合わせて自由に移動することが簡単にできます。ベンチは上下逆さまにすると、平衡棒のようにして使うこともできます。

 

 

「移動可能な教室」で、ベンチを移動可能にすることで、 子どもたちが「移動可能」になります。小学校低学年の子どもたちが、じっと座っているのが苦手だということは、みなさんもよく知っていると思います。7〜9歳の子どもたちは、体を動かすことによって、より脳を発達させます。小児科医の研究によると、最低で1日に70分体を動かすこと(走ったり、飛び跳ねたり、ゲーム、遊びをしたり・・・)で、思考が活発になる、マルチタスクが上手になるという効果が観察されたそうです。動き回ることで、血流がよくなりより多くの酸素が脳にいく。酸素が多ければ多いほど、脳の働きが活発になるのです。脳科学者による研究で、肉体的な動きが小脳の働きを活発にすることも証明されました。小脳は記憶を司ります。注意力を高め、空間認知力を鋭くします。

 



さらに、ベンチの効用として、背もたれがないため背筋をまっすぐにして座る習慣ができることが挙げられます。きちんとした姿勢で座れることは、脳の「実行機能executive function」に使うエネルギーが増強されことにつながります。
 
 
「実行機能」複雑な課題の遂行に際し、課題ルールの維持やスイッチング、情報の更新などを行うことで、思考行動を制御する認知システム、あるいはそれら認知制御機能の総称である。(https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E6%A9%9F%E8%83%BD
 
 
つまり、きちんとした姿勢で座る習慣をつけることは、計画を立てること、オーガナイズできること、作戦を練ること、注意を払うこと、詳細を記憶すること、時間や空間を管理できることなどの能力を高めることにつながるのです。

 

 

 

Moveable classroom という言葉をイギリスでよく聞くようになったのは過去10年くらいのことでしょうか。30年前にスカンジナビアで始まったこのシステムは、ドイツのシュタイナー学校にすぐに取り入れられるようになり、現在ドイツのシュタイナー学校では222校がこの方式を採用しているそうです。イギリスのシュタイナー学校の先生の間にもすぐに知られるようになりました。統計をとっていないので、イギリスでの実情は定かではありません。私がこれまで関わってきた4校ではまだ取り入れられていません。ただ、実現はしていなくても、先生の間では大変関心が高いのは感じています。 アメリカでは、数少ないですが試みが始まっているとのこと。
 
以前、日本の友人にこのシステムについて話したところ、「日本人としては、机に座ったり机の上を歩いたりすることを受け入れられないから、ムーバブル・クラスルームを導入するのは難しいのではないか」という意見をいただきました。確かにそうかもしれません。でも、子ども達が健やかに成長していくために、もっと子どもたち動きやすい教室環境が、日本の習慣や美意識、マナーに合う形で創造していけたら良いですね。
 

参考 
The Moveable Classroom – The Waldorf School of Philadelphia
http://lovinglearning.org/blog/moveable-classroom/
 
 
The Movable Classroom Concept: Learning through movement for positive discipline and self-regulation development in young children
http://www.parentingfuneveryday.com/do/abcs/the-movable-classroom-concept-learning-through-movement-for-positive-discipline-and-self-regulation-development-in-young-children/
 
Education: The Waldorf School introduces innovative "moveable classroom" to promote healthier academics 
http://www.saratogian.com/article/ST/20110925/NEWS/309259973




「フォルメン・レッスン2〜小学3/4年生」
3月10日発行予定
特典付き予約受付中



シュタイナー学校の教科のひとつ「フォルメン」は形を線で描く芸術です。形を美しく仕上げる過程で、指、腕、体を動かすこと、手と目の連携を自然に行い、子どもたちの肉体的な発育、文字を描く基礎、図形の理解、平面と空間の認識能力、美的センスなどを育てていきます。今、日本でも世界でも「ぬり絵」が大ブームとなっていますが、フォルメンはぬり絵の要素に加えて、形を描く作業をすることで意志の力を強めます。

子どもの発育にもとても効果的な「フォルメン」ですが、私は強く大人の方にもお勧めしたいのです。フォルメンを描いているとなにしろすーーーっと吸い込まれるように、その活動に入り込んでいきます。美しい形を描くことは私たち人間の内側を整えてくれます。色を使うことで心が生き生きとします。
瞑想のように澄んだ時間が体験できることでしょう。

忙しい大人のひとに、ぜひ。この「フォルメン・レッスン2〜小学3/4年生」では、シンプルな形から、大人のひとにもちょっと難しいかも・・・という形も掲載されています。

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