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2012年7月5日(木)
環境エネルギー政策研究所 プレスリリース

消費者の観点から見た固定価格買取制度(FIT)のあり方について

■ はじめに

 2012 年 7 月よりいよいよ固定価格買取制度(FIT)が始まった。制度開始に合わせて、商社や様々な企業が自然エネルギービジネスへの参入を決めており、自然エネルギーの普及拡大に弾みがつくことが期待されている。一方で、自然エネルギーによる電気を一般電 気事業者が買い取る費用は、電力料金に上乗せする仕組みとなっており、家庭や企業への 負担とのバランスの確保も重要な観点となる。
 買取制度が今後、長期的に自然エネルギー普及施策として役割を果たすためには、家庭 や企業の理解が不可欠であり、その仕組みによってもたらされる効果、留意すべき点について正しく理解を促すことが重要である。行政、電力事業者、研究者そして消費者団体から、家庭や企業に向けた情報をわかり易く継続して伝えていく努力が求められる。
 本提言書は、公益財団法人自然エネルギー財団(JREF)と認定NPO 法人環境エネルギー 政策研究所(ISEP)が、2012 年6 月に開催した「FIT 制度による負担と投資について考えるワークショップ」の議論の内容を元にまとめたものである。提言書が買取制度に対する消費者の理解促進と、日本の再生可能エネルギーの促進に寄与するものとなれば幸いである。
 なお、提言書の策定に際しては、前述のワークショップ参加者より多くの示唆に富んだコメントを頂いた。この場を借りて改めて感謝したい。

提言書全文はこちら(PDF)
ワークショップの詳細および録画映像はこちら


「FIT 制度による負担と投資について考えるワークショップ」概要
・主催   : 自然エネルギー財団(JREF)、環境エネルギー政策研究所(ISEP)
・出席者  : 消費者団体代表及び会員、中小企業、有識者等
・日時・場所: 2012 年 6 月 4 日(月) 14 時~17 時 衆議院第一議員会館第 1 会議室

■ 提言ポイント

1 、制度に関する理解の促進
  • エネルギー政策全体の中での再生可能エネルギーの位置づけや重要性、また、再生可 能エネルギーの大幅導入を達成するための施策としての固定価格買取制度(以下、買取制度)の意義、目的といった全体像の提示無くして、消費者の理解は得られない。
  •  消費者の理解を得るためには、買取制度の仕組みを丁寧に説明することが必要。また、専門用語を分かり易く説明するなどの工夫も必要。
2、 徹底的な透明性・情報公開
  • 買取制度の利点は、消費者が払った賦課金がどのように活用されるか、賦課金設定の元となる費用の計算等が全てトレースできる形で示せることである。原子力行政の反 省を踏まえ、買取制度では再生可能エネルギーのコストデータなど可能な限り全ての情報を広く公開し、専門性・中立性のある第三者によるチェックなどを行い、消費者 の信頼と納得が得られるような運用を行うべき。
  • 買取制度による再生可能エネルギーの導入促進効果、雇用効果などのデータを政府が 積極的に公表することで、消費者が自分の払った賦課金が全て再生可能エネルギーの導入促進に役立っていると認識できるような仕組みとすべき。
  • また、原子力など再エネ以外の電源を利用する際のコスト(短期だけでなく中長期も 含め)の情報も示すべきである。
3 、買取制度のメリット・デメリットの明示
  •  買取制度のメリット・デメリットを明確化し、デメリットは対応策も示す。
  •  電気料金上昇により企業におけるコスト増が想定されるが、現状の電源構成のままでは将来の化石燃料コスト高騰リスクを抱えるため、再生可能エネルギーへのシフトは、 長期的なリスク対策効果を持つ点を始め、温暖化対策効果、エネルギー自給率向上効果等のメリットを明示。
  • 一方、デメリットとして、電気料金上昇による企業活動への負の影響についても明示し、対応策として減免措置等の措置がある旨も明示。
  •  再エネ・省エネに企業がシフトできるような買取制度以外の税制優遇などの施策も併せて実施することが重要。
  • また、この買取制度により再生可能エネルギー事業を各地域が主体となって実施することが可能となり、地域経済の活性化を促すことができるメリットがある。その際、 地域が主体となるための制度の整備や人材育成などと共に、再生可能エネルギーに関する専門技術・知識の標準化・共有化が重要である。
  • 消費者が単に電気を使い、賦課金を負担するだけでなく、自ら発電事業を行ったり、発電事業に出資するなど再生可能エネルギーの事業に参加できる仕組みである点もメ リットである。


■ このプレスリリースに関するお問い合わせ

特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)

E-mail: info01@isep.or.jp

URL: http://www.isep.or.jp/

TEL: 03-6382-6061

FAX: 03-6382-6062 
担当:松原、山下

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