■ 概要
東京電力福島第一原発事故から5年が経過しました。「事故収束宣言」「アンダーコントロール」といった言葉とは裏腹に、「原子力緊急事態宣言」は解除されず、汚染水問題への対応はじめ、いまだに事故収束作業の途上であるのが実態です。そして、中長期ロードマップの改定で燃料デブリ取り出し等の課題が先送りされたように、技術的にも時間的にも廃炉の見通しが立ったとは言えません。1日約7000人が作業する現場では、改善が図られてきているとは言え、被ばく低減や労災事故防止など労働安全衛生面での課題が存在しますし、長期にわたる廃炉作業を支える「人」の問題がボトルネックとなる懸念があります。
一方、事故そのものについても技術的な未解明事項はじめ課題が多く残されています。最近明らかになった「メルトダウン」公表問題に代表されるような情報公開面でのさらなる検証も求められます。
もちろん問題は以上に尽きず、避難や賠償はじめサイト内外の課題は山積していますが、今回は、国会事故調などのフォローアップが曖昧になっている中で唯一検証の場とも言っていい「新潟県技術委員会」に参画する佐藤暁・田中三彦両氏を招き、事故収束・廃炉作業の課題と情報公開面での検証を中心に議論を深めます。
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