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2011年8月26日(金)
環境エネルギー政策研究所 プレスリリース

再生可能エネルギー買取法案(FIT法案)の成立を歓迎する
 〜本格的な自然エネルギー普及を前提として、今後の詳細制度検討と関連法案の調整を進めるべき〜
 3月11日に閣議決定が行われ、7月14日からの衆議院、参議院での審議を経て本日成立した再生可能エネルギー買取法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案)の成立を、本格的な自然エネルギー普及の第一歩として当研究所は高く評価する。
 
 特に衆議院での議論において、当初の政府案から修正案にいたる過程で法案の内容に重要な改善が見られた。その一つは発電の種類と設置形態、規模に応じた適切な買取価格を定めることである。当研究所が5月23日発表したプレスリリース(※参考)において掲げた3つのポイントのひとつである。買取価格の区分については、当初は家庭用太陽光・業務用太陽光、発電事業用の太陽光、その他の再生可能エネルギー(風力、地熱、バイオマス、小水力)という3つの区分のみであり、極めて雑な制度設計であった。今回、法案の修正がなされたことで、地域に適した自然エネルギーを選択し、各地域で主体的に進めていくという道筋が見えるものとなった。さらに買取価格の設定に関しては、これまでは経済産業大臣および経済産業省の審議会のみが検討する権限をもつ流れにあったが、買取価格等を算定する第三者委員会を新たに設置することと、国会や他省庁の関与が盛り込まれたことも重要な点である。

 一方で、課題も残っている。上述のプレスリリースの第二のポイントであった家庭用太陽光発電の買取については余剰買取のままで議論が進んでいる。さらに第三のポイントであった送電網への接続義務(優先接続および優先給電)は「正当な理由」と「おそれ」という文言に委ねられている。法案の第四条では再生可能エネルギーの発電事業者から電力会社に買取契約の申込があった場合には、「正当な理由」がある場合を除いて拒んではならないとしている。その一方、第五条2項の「電力の安定供給に支障を来すおそれがある場合」は買取りを拒むことができるとしている。これらの条項は、自然エネルギーの本格的な普及に対して依然として懸念材料として残っている。「おそれ」と「正当な理由」の定義については詳細な議論の中で明らかにしていく必要がある。
 
 今後、発電の種類や設置形態・規模毎に買取価格や買取期間を決定するプロセスや送電網への接続義務の履行状況をしっかりと注視し、本格的な自然エネルギーの普及に資する制度となるかを見極めていかなければならない。これらをふまえれば、本格的に自然エネルギーを普及させるためには下記の6点が必要である。

  1. 中期的な導入目標の明示:2020年に20%以上
  2. 発電の種類や設置形態・規模毎の買取価格および買取期間の適切な設定
  3. 負担を免除される電力多消費産業の情報公開と省エネ投資への切り替え
  4. 自然エネルギーによる発電設備の送電網への接続義務・優先給電の確立
  5. 関連制度との調整(国立公園法、温泉法など既存制度と自然エネルギー普及との調整、ゾーニング等)
  6. 地域社会との合意形成や意思決定への参加、事業主体(オーナーシップ)への参画など

 固定価格買取制度の成立は、これからの本格的な自然エネルギー普及のための第一歩である。今後、自然エネルギーの飛躍的な普及と大胆なエネルギーシフトを目指して、さらなる改善を期待したい。

■ 参考

・ISEPプレスリリース 2011年5月23日 「与野党は全量買取法案を最優先して可決すべき
・ISEPニュース 2011年7月15日〜8月24日「FIT法案審議プロセス1〜8

■ このプレスリリースに関するお問い合わせ

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E-mail: info01@isep.or.jp

URL: http://www.isep.or.jp/

TEL: 03-6382-6061

FAX: 03-6382-6062 

担当:飯田、松原、山下

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