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2011年7月22日(金)
環境エネルギー政策研究所 ニュース

FIT法案の審議プロセス 3


FIT法案の審議プロセス報告

自然エネルギーの普及に向けて審議内容が注目される再生可能エネルギー買取法案(FIT法案)について、7月14日から衆議院本会議での審議、15日から衆議院経済産業委員会における議論が始まっています。ISEPではこの審議プロセスを追い、皆様に状況を共有し必要なアクションを取っていきます。今週は経済産業委員会は開かれませんでした。予算委員会でのFITに関する質疑を取り上げます。

 

1-1. なかなか開かれない衆議院経済産業省委員会

前回の配信以降、衆議院経済産業委員会においては全量買取制度の審議が全く行われていない。全量買取制度の審議もさることながら、原子力事故関連の議論も必要なことから優先して開かれるべきであろう。全量買取制度についてはvol.2で書いたように「負担論」の観点からは質疑と答弁があったが、本来の目的である「自然エネルギーの普及」という側面では全くと言っていいほど、議論されていない。

そもそも中長期的なエネルギー政策の観点から見れば今後必ず化石燃料や原子力はコストが増大する。その一方、自然エネルギーは普及を進めることで明らかに費用は下がっていく。それを実現するためにも買取価格・期間、優先接続(安定供給に支障が出る「おそれ」という文言)など全量買取制度の本質的な議論を行うことがまず重要である。それと同時にエネルギー基本計画の策定を待ってからと悠長に構えるのではなく、待ったなしの危機にあるということを認識して速やかな成立を目指さなければならない。

 

1-2. 菅首相答弁(予算委)と海江田大臣答弁(経産委)の比較

7月20日の予算委員会で菅直人首相が社民党の阿部知子議員の質疑に対して、エネルギー基本計画の見直しを再度言及した。それと同時に全量買取制度の価格設定に関して事業収益率をもとにしたコストベースによる買取も議論する価値があると発言した。

これまで経済産業省は一貫して「企業・国民負担最小化」のため一律価格(15〜20円)で買い取るとしていて、14日の本会議や15日の経済産業委員会での海江田大臣答弁でもこの経済産業省の意見を踏襲していた。一律価格での買い取りはもともと発電コストの低い一部の自然エネルギーしか普及が促進されず、地域毎に適した自然エネルギーを選択していく可能性を狭めるという大きな欠陥がある。

さらに言えば、海江田大臣は本会議で「費用負担最小化」の観点から買取価格の総額に上限を求めることもあり得るとしてキロワット時あたり0.5円を超えないように運用していくと発言している。これは産業育成や化石燃料の削減効果といったメリットを検討せずに自然エネルギーを負担とみなし、投資と考えていないことを示している。自然エネルギー政策で世界から周回遅れとなっている日本で上限を設けることは、失われた10年の再来どころか、日本の経済・社会を窮地に陥れることになる。

 

2. 執筆者コメント

菅首相の発言は原子力依存からの脱却のためには自然エネルギーの大幅な普及が必要だと言う考えが見受けられます。一方で海江田大臣や経済産業省は福島第一原発事故について全く反省せず、自然エネルギーの普及を真剣に考えていないと言えるでしょう。全量買取制度についてはしっかりと事業収益率を基礎とした各自然エネルギーエネルギーのコストベースによる買取を目指さなければならない。

今週は経済産業委員会が開かれず、「重要な話題であるにも関わらずニュースが無い(動きが無い)」というニュースを送信するところでした。予算委員会における阿部議員の質問のように固定価格買取制度に影響を与えうるような動きは今後も積極的に取り上げていきます。

 

(執筆者:山下・道満)

3. 今後の予定

次回の委員会日程はまだ未定
 ※傍聴に際しては、衆議院議員を通じて経済産業委員会委員長の許可を受ける必要があります。
 

4. 今後の予定

次回ニュースは第二回の経済産業委員会での審議内容について、委員会当日の配信を予定しております。


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E-mail: info01@isep.or.jp

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担当:山下・道満

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