Copy

2011年7月20日(水)
環境エネルギー政策研究所 ブリーフィングペーパー

ドイツの原発停止で欧州大停電が起こるのか


■ 概要

 東京電力福島原子力発電所の事故を受け、倫理委員会による抜本的な議論を経ておそくとも2022年までの脱原発を定めたドイツに対しては多くの議論が行われている。
 こうしたなか、ドイツの原発停止により欧州に大規模な停電が起こる恐れがあると報じられている。(7月13日付SankeiBizの記事「欧州に大規模停電危機 独の脱原発受け、多額の経済的損失確実」など)一方で送電系統管理の責任者はそうした危機に対処することを述べている。(「送電網管理責任者はエネルギー企業のパニックを非難している」Handelsblatt、「送電網管理責任者は停電パニックを警戒している」SPEGEL ONLINE参照)本ブリーフィングペーパーでは、こうした点についての見解を整理する。
 

■ SankeiBiz

  • 全体として原発から撤退することを決め、古い8基の原子力発電所を止めたドイツに対し、冬の電力危機が懸念されているとし、「大規模な経済的損失」の可能性があり、欧州全体に影響する可能性もあると報じている。前半部分については、下記の資料と見比べれば系統管理者のコメントの一部を切り取ったものであり、後半部分については可能性があるという点を強調した記事となっていると言える。
 

■ SPIEGEL ONLINE

  • SPIEGEL ONLINEでは送電網管理責任者のMatthias Kurth氏は原子力からの撤退による電力供給への不安や停電の声に対して「しばしば表面的なもので既得権益に関するものだ」とコメントしており、「懸念が出る事はある種の妥当性があるが、議論の方法は建設的なものではない」としている。
  • ドイツですぐに停電が起こるかという質問に対し「起こらない」と答えている。
  • E.onとRWE(ドイツの電力会社)が系統の不安定化を懸念し、そうした不安をあおっていることに対しては「(彼ら)はそれほど目的を達成できないと思う」と述べている。
  • ドイツの発電所は需要に対する余力はあるが、経済性の観点から輸入を行っていると答えている。
  • 電気料金に劇的な変動は無いと予測している。

■ ドイツ連邦環境省の報告書

  • 7基の原発+クルメル原発(約8.4GW)の停止に対し約10GWの予備電力があるため、ネットワークの安定性は厳しくはなるものの管理可能としている。
  • 2011年冬の安定的な系統運用を保証するために、系統管理者は南ドイツでの2GW分の電力供給の増加を要求している。一方で系統運用管理者の調査は柔軟性を欠いている可能性もあるとしている。
  • ドイツは現在電力を輸入しているが、発電所は国内分の需要を十分賄え、輸入は必ずしも必要では無いとしている。また現在の電力輸入については、主に化石燃料発電所からとしている。

■ このブリーフィングペーパーに関するお問い合わせ

特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)
E-mail: info01@isep.or.jp
URL: http://www.isep.or.jp/
TEL: 03-6382-6061
FAX: 03-6382-6062 
担当: 飯田、山下
Copyright © 特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所, All rights reserved.

連絡先
特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所
〒164-0011
東京都中野区中央4-54-11
Tel: 03-6382-6061
Fax: 03-6382-6062
Email: info01@isep.or.jp

担当 飯田、山下
Email Marketing Powered by Mailchimp
メール配信の登録解除 | 登録内容の変更  |
メールが正しく表示されない場合はWebブラウザーでご覧下さい。